アイスクリームのお皿

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【映画】80年代ハイスクール白書!朝まで学園映画天国(新文芸座)

こんにちは。学園ものには目がない花とビールです。

今回、新文芸坐で「80年代の学園映画オールナイト上映」というすばらしい企画があるということで行ってきました。タイトルは

≪病みつきハイテンション!ハイスクール白書!!≫

≪上映作品≫

  1. 『超能力学園Z』ロバート・J・ローゼンタール (1982年/98分)
  2. 『ブレックファスト・クラブ』ジョン・ヒューズ (1985年/97分)
  3. ねらわれた学園大林宣彦 (1981年/90分)
  4. 『ロックンロール・ハイスクール』アラン・アーカッシュ (1979年/90分) 

アメリカの学園ものといえば、必ずといっていいほど出てくるのがスクールカースト。学校内におけるヒエラルキーピラミッドのことで、クラブ活動・容姿・頭の良さ・趣味などで分類され、それぞれの階級に名称がある。

日本はカーストというよりグループで分かれるし、そこまでわかりやすい区分けはないのに比べ、アメリカでは非常にはっきりと階級で力関係が分かれ、何をするにもカーストがつきまとう。

今回はスクールカーストに注目して観ました。

 1.『超能力学園Z』

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一発目にふさわしいハイテンションのドタバタコメディ。理系男子の主人公バーニーが実験に失敗して念能力を手に入れ、友達と悪さしたり恋愛したり。

これすごい、中身が何もない!!(※褒めてます)最高のおバカ映画でした。

  • 実験で薬の調合を誤って爆発⇒すごい能力を手に入れる
  • 人形を身代わりにして親をやり過ごす

こんな漫画みたいな王道の展開をアメリカ学園映画で観れるとは。

ラボに入り浸る実験マニアなのに友達もいて、ギークではなさそうなイケメンという珍しい主人公。終始マイペースで、自分が興味を持ったら周囲を気にせず突っ走る。何か引っかかるものを感じていたのだが観てるうちに気付いた。この子多分天然だ。天然イケメンは罪。スタートレックパロなど妄想展開もあり、ツッコミ不在のまま物語は進む。なぜか念能力を使ってのベッドシーンは爆笑必至。自分でやれよ!

*ベッドシーンのBGM


David Pomeranz - Got To Believe in Magic (Lyrics ...

終盤のプロム。何かと学園ものではプロムがゴールというか、プロムで成功すること=自己実現を果たすという意味を持っているように思う。

ただ、この映画ではプロムで特に何かを達成するわけではない。なぜ念能力でプロムを乱痴気騒ぎにしたのか謎。嵐が去って能力も失くして、という終わりに繋がるわけですが。

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フェミニズムが浸透してきた現代では絶対に受け入れられないシーンが結構あった。お調子者の友人ペイトンがクラスのマドンナとのベッドシーンを盗撮し彼氏の前でばらすなんてリベンジポルノだし、前述のプロムはとりあえず脱がせておけばOK!という感じで、女の子はお色気装置なんだなと。今やったら猛抗議殺到だろうなあ。時代は変わるものだ。

登場するカーストはクイーン(チアのマドンナ)、プレップ(ヒロイン)、多分ジョックス(マドンナの彼氏)、ちらっとしか出ないがバッドボーイ(クラスメイト)。

主人公のカーストがよくわからないのは、監督が自己投影しているから?これで主人公が不細工で友達もいなかったらギーク確定なので。ギークの監督が「超能力手に入れたらこんなことしたい」妄想を映画にしたとしか思えない。イケメン金持ちは高速回転コーヒーカップでゲロ吐いたり何かとひどい目に遭うし。

とにかく何も考えず爆笑したいときに最適。監督の妄想に「本当におバカだな~」という目線で付き合いましょう。

 さわやかくだらなさ★★★★★

 ネズミが犠牲になる度★★★★☆

 挿入歌がいい感じ度★★★★☆

2.『ブレックファスト・クラブ』

今回一番ぐっときた作品。独立して書きたいくらい良かったので、別記事にて。⇒近日中にアップしたらリンク貼ります

3.『ねらわれた学園

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 今回唯一の邦画。これが入ることによって日本とアメリカの学園ものの違いや共通点を発見できた。新文芸坐さんナイスです。

今から34年前、主人公役の薬師丸ひろ子は当時17歳。17歳!2013年の朝ドラ『あまちゃん』での大御所女優・鈴鹿ひろ美役の印象が強いので、時間の経過に驚く。というか、さほど遠くない過去だと思っていた1981年が34年前という事実に眩暈が…。

眉村卓の小説が原作。観ていてなんとなく『謎の転校生』を思い浮かべたのですが、同じ原作者だったの知らなかった。

『超能力学園Z』と同じく主人公が超能力使い。力を使ったことをきっかけに、星の魔王子という謎の人物や、同じく超能力使いの美少女転校生が学園を乗っ取り主人公を仲間に引き入れようとしてくる。

いわゆるアイドル映画で、薬師丸ひろ子が少女漫画に出てくるような完璧なヒロイン主人公。秀才、明るく性格も良い、ちょっとやんちゃだけど優しい幼馴染がいて、裕福な家庭で大事に育てられ、誰とでも仲良くでき、常にクラスの中心にいて皆に好かれている。本当に漫画のようだ。完璧超人すぎる。

家族団らんシーンでは『魔法騎士レイアース』の海ちゃん(龍咲海)の家庭をふと思い出した。海ちゃんのお家も金持ちで夫婦ラブラブなんだよ!

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終盤の星の魔王子との戦闘は実写とアニメが混在した非常にサイケなシーンで、眠気もあいまって夢とも映画とも現実ともつかない状態になり危険でした。

敵のビジュアルといい、洗脳された生徒たちがゾンビのように青白い顔で授業を受けるなどかなり不気味な要素もあり、夢見が悪そうなので夜一人で観るのはおすすめしない。洗脳された生徒がナチ軍服のようなものを着て学校を支配するところ、そういえば『キルラキル』みたい。

アメリカ学園ものと大きく違うのは「クラスの有無」だと改めて感じた。アメリカはクラスがなく単位制なので、クラブ活動や趣味が同じ者同士でつるむしかない。つまり自分と違うタイプの人間と付き合う機会が極端に少なく、住み分けがはっきりとしている。それがカースト制度を生む一番の要因だと思う。

一方、日本はランダムにクラス分けされ、様々なタイプの生徒がクラスという単位でひとまとめにされるのが当たり前。学園祭や体育祭などの行事もクラス内で協力したり他のクラスと競ったり、「クラスみんなで一緒にやる・団結する」という基本姿勢がある。違うタイプの人間と毎日強制的に接するので、気の合う者同士でグループを作って固まることはあっても「違うグループだからわかりあえない」というカーストほど強い意識はない。一応同じクラスだから。

日本とアメリカ、どっちが生きやすいんでしょうか。ただどちらにも言えるのが、ルーザーは全員からはっきり「住む世界が違う」とみなされ生きづらいということ。それは変わりない。クラスに恵まれれば日本の方が確実にましだとは思うけど。

共通点は『超能力学園Z』にもあった「人形を身代わりにして親をやり過ごす」手法。世界のティーン共通の手段なんだ!こういう普遍のものってどこから来るんだろう。

カーストという概念はないものの、ブレインであるガリ勉(なんとこの役者、手塚治の息子だった)がいい味を出していた。こいつが喋ると必ず笑いが起きていて、作品の反応を共有できるところはやっぱり映画館で観る醍醐味ですね。

 幼少時に見た場合のトラウマ度★★★★★

 猿の無駄遣い度★★★★☆

 ガリ勉の声の違和感度★★★★★

4.『ロックンロール・ハイスクール』

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すいませんこれ、オールナイトで眠気がピークに達し、終盤ちゃんと観れなかったので大まかな感想で…。面白かったのでもう1回観たい。

ラモンズ命の主人公であるロック少女の夢が詰まった映画。というか最早ラモンズのライブ映画。これはかなり貴重なんじゃないか。ラモンズは大学時代に所属してたバンドサークルでコピーしてた人いたな、くらいで特別好きなわけではないけど、知ってる曲が流れるとテンション上がりますね。

今回観た中で一番ファッションや小道具がお洒落で、どのシーンも絵になる。主人公の部屋のインテリアがいかにもティーンのロック少女という感じだったり、ハイウエストのパンツに真っ赤なスタジャンを着て大きなラジカセで爆音ロックを流したり、学生の頃観ていたら確実に影響を受けていたと思う。ファッションアイコンとしてお手本にできそう。

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主人公があまりにもラモンズに夢中で、自分の全てをかけてのめり込む様が観ていて気持ちいい。ラジオからラモンズ情報が聞こえた途端に車を停め速攻で電話をかけたり、頼んでないのに作詞作曲しちゃうところなんか大好き。まさにありあまる愛。

誰しもそういう経験あると思う。何かにはまって、純粋に大好きという気持ちだけで、自分の中のよくわからない力を発揮して気が狂ったかと思うくらい突っ走るあの感じ。主人公の好きなものは好きだからしょうがない!という想いが伝わってくる。こんな風に何かに夢中になれるのって本当に素晴らしいことだ。

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主人公はロック少女だからフローター(一匹狼)かと思ったらそうでもないのか?友達の眼鏡っこはおそらくプレップス(優等生)。裏表なくお互いを大事にしていて良かった。カーストを越えた友情って本当にいい。

学校爆発しろ!ってみんな一度は考えたことあるだろうけど、本当に爆発します。アリス・クーパーの“school's out”が挿入歌で使われていてぴったり。ちなみにこの曲は海外ドラマ『glee』シーズン3でカバーされている。歌うのはバッドボーイ(不良)のパック。最高!


GLEE - FULL PERFORMANCE OF SCHOOL'S OUT ...

ラモンズ好きの女の子は絶対観るべき。ラモンズ好きじゃなくても、音楽が好きだったり、学校なんか糞だ!と感じている学生にぜひおすすめしたい。鬱屈した何かが吹っ飛ばされて爽快な気分になることうけあいです。

 酒を片手に踊りながら観たい度★★★★☆

 ネズミが犠牲になる度★★★★★

 学校爆発しろ!度★★★★★

 

スクールカーストについては色々語りたいことがあるので、また詳しく書こうと思います。

新文芸坐もオールナイト上映も初めてだったけど最高でした。学園もの企画、ぜひまたやってほしい。ただオールナイトはそろそろ無理があるなと感じた夜でした。